著者:中西 郁夫 氏
もうすぐ70歳です。70歳から何年生きられるか分かりませんが、今まで以上に心身とも健康に過ごしたいと思います。FPファームですので、FP的に考えておかなければならい事を挙げてみます。
死に関する事務的な事
老後でまず頭に浮かぶのが「老後の3K」でしょう。お金、健康、孤独ですが、FPは主にお金に関連することを扱います。思いつくまま老後のお金に関連することを述べてみます。と言うより、私自身の心配事を挙げます。
まず、私自身いつ死が訪れるか分かりません。私のようなある程度年齢を重ねたおひとりさまの場合、すぐにでもやっておいたほうがよいのは、死に関する事務的な事です。
死後事務委任契約
詳細は述べませんが、葬式や役所への手続き関係先への連絡等などがあります。それらをお願いする人がいればよいですが、いない場合は前もって準備をしておかなければなりません。しかし、準備している人が多くいるとは思えません。
そうするには、死後事務をやってもらう人(士業の方が多い。注1)と「死後事務委任契約」を交わすことが有効です。
遺言書
次に財産の処分の為に「遺言書」を準備しておくことです。
遺言書には自筆証書遺言や公正証書遺言などがありますが、法的に有効な遺言書を残しておくことが重要です。特におひとりさまの(相続人がいない)場合、手続きを経た後、財産は国へいきます。何ということでしょうか。良い様に解釈すればお国の為に使ってもらえるとも考えられますが、これでは死んだ人の思いが反映されません。その為に財産の多少に拘わらず遺言書を準備しておくことが必要になります。
最後に
今回は、私が70歳になる前にまず思い浮かぶことの「死後事務委任契約」と「遺言書」について書きました。
今後不定期ではありますが、おひとりさまで心配になりそうな事について書いていきたいと思います。
おまけ
2021年8月20日の産経新聞に遺言書の作成件数が載っていました。日本公証人連合会によると、令和2年の公正証書遺言の作成件数は、9万7700件でコロナ禍の関係で前年より1割以上減少しているそうです。
又、法務局による自筆証書遺言の保管制度が昨年7月から開始されました。令和3年6月末時点で2万849件の申請があったそうです。これもコロナ禍で予想より少ないそうです。
(注1)士業とは、「しぎょう」「さむらいぎょう」と読む。○○士と言う国家資格保有者で、高度な専門性や公益性を有する職業の総称。弁護士、公認会計士、税理士、行政書士社会保険労務士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、海事代理士ほかがある。